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インターネット羊小屋

体験型謎解きイベント「本と歩く謎解きの夜~消えたエピローグの行方~」に参加したらめちゃくちゃ夢小説だった

 

「本と歩く謎解きの夜~消えたエピローグの行方~」って?

今回私が参加したのは、京都センチュリーホテルと株式会社謎組がコラボしたもの。京都センチュリーホテルに宿泊し、ホテルの中を探索しながら謎を解いていくという体験型の謎解きイベントだ。

nazotoki-project.com

友人と二人で参加したのだが、これまでビジネスホテルやホステルばかり利用してきた私たちにとっては正直かなり贅沢なお宿だった。

宿泊したお部屋は「センチュリーコンフォート スーペリアツイン23㎡」。一応プランの中では一番安い部屋で、大人二人が一泊二日、素泊まりで二万八千円。まあ約一万円の部屋代とイベント代金の合計なので妥当なお値段なわけだが、ちょっとドキドキしたよね。なんか知らん間にできた京都市の「宿泊税」とかも取られたし(一人あたり二百円。宿泊する部屋の値段で変わるらしい)。

謎解きの内容のネタバレにならない程度ならSNSで発信してもいいよ~とのことなので、ゆるく感想をメモしておく。もちろん謎の内容や答えなんかには触れないが、「これからイベントに参加する予定で、全く何も知らない状態で挑みたい人」は読まないほうがいいと思う。先に結論だけ言えば、めちゃくちゃ楽しかった!

 

あらすじ

ホテルにやってきたあなたは、
チェックインで奇妙な本を手渡される。

結末が欠けているというその本。
読んでみれば本の中の主人公もまた、
あなたと同じようにホテルを訪れ、奇妙な本を手にしていて…?

まるで物語に導かれるように、
あなたはホテルを探索し、消えた本の結末を探し始める。

待ち受ける不可思議な体験。
そしてあなたが最後に得るものとは——。*1

 

謎解き当日の流れ

宿泊当日。朝から三十三間堂のほうにある豊仙窯という工房で土を捏ねた後、京都駅のコインロッカーに預けていた荷物を回収する。京都駅周辺の人出は例年と比べてはるかに少なく、いつもなら絶対に空いていないような場所にあるコインロッカーが軒並み空いていたのが印象的だった。

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雲ひとつない青空 とにかく蒸し暑くてマスクの中が終わる

駅から京都センチュリーホテルまでは徒歩三分。方向的には京都劇場があるほうで、駅ビル前をまっすぐどん突きまで歩いていくだけ。

ホテルに足を踏み入れた瞬間、通りかかったコンシェルジュの人に「お荷物お持ちしますね」とキャリーケースを預かられてしまった。小声で「ジョンウィックやん……」と囁きあいながら、ロビーへと続くエスカレーターを上っていく。

そしてそのままフロントで支払いとチェックインを済ませると、一人一つずつ白い封筒を手渡された。

「その本には結末が欠けています」

そんなセリフと共にイベントの導入が始まったのだけれど、この時点でかなりわくわくした。ホテルのコンシェルジュさんが突然ロールプレイを始めるの、めちゃくちゃ面白い!隣では普通に宿泊する人がチェックインの手続きをしているから、自分たちがなにかものすごい秘密に巻き込まれているような感じがする。一気に「ゲームが始まった!」って空気になったからプロってすごい。多分「コンシェルジュA」ってコマンドが出てた。

ネタバレ&コロナウイルス感染対策で、謎を解く(本を読みながら謎について考える)場所は自室とロビー、もしくは各フロアに設置されたテーブルのみに限定されていた。

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かっこいいロビー 長時間いると冷えるので上着があったほうがいい

とりあえず宿泊する部屋に移動し、もらったものをチェックすることに。

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注意書きと一冊の本が入った封筒

封筒の中には、注意書きが書かれた紙と一冊の文庫本が。荷解きもそこそこにベッドに寝転がり、本を読み始める。

イベントのあらすじにも書かれているように、この本の主人公である「私」と現実の私は全く同じ経験をする。フロントで結末の欠けた本を受け取り宿泊する部屋に辿り着いた私が本を開くと、本の中の「私」も全く同じ行動をしていることが分かるのだ。思わず「めっちゃ夢小説やん!」って叫んだ(夢判定ガバひつじ)。本の中の私も本を手にしていてその中の私も……という感じの入れ子構造になってるのもいい。物語の世界と現実の世界が繋がっているの楽しい……私は夢主……!

私たちは一度本の最後のページまで目を通してから謎解きを始めたが、問題を解くときにはその都度読み直したし、わりとしっかり本の内容を覚えていないと解けないつくりになっていた。あとお互いのひらめきにかなり助けられたので、一人で挑んで解ききった人はすごいなと思う。

問題の難易度はちょうどいいくらいだったと思う。一問だけ「答えは分かっているのにそこに至る理由がわからない」状態に陥ってしまって、大人二人で小一時間うんうん唸り続けたぐらいかな。最終的にヒントを見て「……?いやそれは分かってるんやけど……?」状態になったとき、びっくりするぐらいすぐ近くに求めていた「その答えになる理由」があることに気づいて脱力した。あれホンマに悔しい。あんな灯台下暗しのパーフェクトな例ムーブすることあるんやな……。

あとは、問題を解くためにホテル内の他の客室に入れたのがめっちゃ面白かった。HPで見ることができても、あんまりホテルで自分たち以外の部屋を探索できることってないし。宿泊客が少ないからできることなんやろな~。

そんな感じで三時頃チェックインしてからずっと謎解きしてて、謎を解き終わったときにはもう八時前になってた。結局四時間以上ホテルの中で遊んでたね!楽しかった!

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これはイベントカクテルの後に頼んだJack Rose

ちなみに無事に謎を解き終わると、答えの解説とかと一緒にホテル内のバーで使える割引券と特別チケットがもらえる。謎解きカクテルは基本的にノンアルで、好みによってアルコール入りにも代えられますって感じ。私はノンアルのまま頼んだけど美味しかったです。

ちなみにバーで謎解きのカクテルを注文したとき、「この三日間でお客様が一番早かったと思います。優秀ですね」と言われて思わず笑ってごまかした。そんな褒められたら、まさか三時にチェックインしてから八時前までずっと謎解きしてたなんて言えへんやん。

イベントもバーも夜九時までなんやけど、バーのクローズに間に合わなかった場合でもカクテルはもらえるらしい。実際にラストオーダーの時点でイベントのカクテル頼みにきてたの三組ぐらいしかいなかった気がする。

という感じで、ホテルという場所も相まって非日常感あふれるよいイベントでした。こんなご時世やし、他の客室に入るときに他の参加者と被ることがなかったのもよかった。手渡された本を使った仕掛けも、「同人誌作るときにやりて~~~!」になっちゃった。

また機会があれば参加してみたいな~と思える素敵な体験ができました!